フェリー、一時航行不能＝Ｕターン客ら４５０人乗船−秋田沖
(時事通信)
５日午前７時半ごろ、秋田県男鹿市の沖約５５キロの日本海で、北海道苫小牧東港から福井県敦賀港に向けて航行中の新日本海フェリー「すいせん」（岡崎明彦船長、１７３２９トン）が機関故障のため、航行不能になった。フェリーには乗客４５６人と乗組員３４人が乗っており、秋田海上保安部などの巡視船３隻が救助に向かったが、応急修理を行った結果、午後２時ごろに一部復旧し、男鹿市の船川港に向けて自力航行を再開した。
フェリーは同日午後９時半ごろ、船川港の沖合約３キロの海域に停泊、乗客は無事だという。荒天のため、フェリーは６日朝、秋田港までえい航され、乗客らは同港で下船する見込み。
第２管区海上保安本部（宮城県塩釜市）などによると、すいせんはエンジンを冷やす冷却水ポンプの故障により、機関停止した。
すいせんは全長約２００メートルの大型フェリーで、４日夜に苫小牧を出港。乗客の大半は正月を北海道で過ごした帰省客で、Ｕターンの途中だった。
現場海域は当時、北西の風１８メートル、波の高さ約４−６メートルで、大しけの状態だったという。
──以上時事通信から
以下はこの船に乗船していたたるみさんからの漂流記録です。
1/4 22:30頃 すいせんに乗船、「おおしけのため、到着は遅れる見込み」
23:50 出航、船長曰く「おおしけのため相当に揺れます。明朝4時頃
津軽海峡を通る頃から揺れが激しくなります。到着は3時間
程度遅れる見込みですが、運航には全く問題はありません
（うそいえ）」
1/5 4:00頃 予告どおり、揺れが激しくなる。たて揺れがすごく、ジェッ
トコースターのごとく、時々宙に浮くような感じになる。こ
の調子で10数時間も持つかと若干不安になる。
8:00頃 たて揺れがなくなり、横揺れになったが、動いている気配が
ない。波が強すぎるため待っているのかと思った（実際、沖
縄の離島ではこういうことがあった）
8:30頃 船長放送、「船首に故障が発生し走行できなくなりました。
復旧の目処は立っていません。現在、船は漂流しています。
秋田港にタグボートを要請しましたが、この後能代港に行く
のか秋田港に行くのかはまだわかりません」
11:00頃 船長放送、「おおしけのため、タグボートはこれません。
海上保安庁の巡視船が来てくれます。それから今後を判断
します。」
12:00 ＮＨＫニュース、「燃料ポンプの故障によりフェリーが走
航不能という連絡が入りました。海上保安庁の巡視船が向か
っていますが、おおしけのため16時頃到着の予定。その後能
代港へ曳航される見込みです。」−乗客に知らされていない
情報が流れたため、乗客に怒りがこみ上げてくる。
なお、この後食事は無料で食べれた。
13:00頃 あわてて船長が上記情報他を流す。「懸命に復旧作業もを
行っていますが、危険な漂流状態を解消するために巡視船が
つき次第曳航してもらいます」漂流状況をロビーの窓越し
に眺めるとまじで転覆するのではないかと思えてきた。
ベッドで寝ることにした。
15:30頃 巡視船到着。マスコミのヘリ等もみかける。
16:00頃 船長放送、「おおしけのため、曳航は危険と判断しました。
スクリューの半分が動くようになったので、低速走行は
可能になりました。男鹿半島をかわして秋田港へ向かいま
す。深夜になるため、途中で停泊する予定です」ーさては
男鹿半島にぶつかる可能性があったのか
18:00頃 船長放送、「秋田港へは明朝天候を見て向かいます。秋田
で途中下船することができます。その場合、全額払い戻しし
ます。徒歩でお越しの人は秋田から大阪、名古屋行きのバス
を無料でチャーターします。敦賀まで行った場合は急行料金
のみ払い戻しします。」−これが以後のトラブルに
19:30頃 たまたま携帯のつながるところにいたため、ざるからのひ
やかし電話を取ってしまった。人の気も知らないで。
21:00頃 船長放送、「ここで今晩は停泊します」
23:00頃〜 船長とクレーマーの乗客が翌朝まで数回やりあった様子。
「徒歩の客だけ無料はおかしい。車もすべて無料にしろ」
「それはできない。当方も最大限の努力はしている。乗客
の身の安全を確保するのに精一杯がんばってきた」ー失言
「船長は乗客の身に危険があったと言った」ー以後しつこ
くこれをネタに迫った。
1/6 7:00頃 運航開始。船長とクレーマーは案内所前でやりあう。
9:00頃 無事秋田港入港。秋田支店長が謝罪に来る。マスコミも
乗り込んでくる。「マスコミの人聞いてください。船長は
乗客の身に危険があったと言っている。これは人災だ。こ
れでも金を取るのか。」
（支店長）「金については、今まで説明してきたとおりです。」
10:00頃 支店長根負け。「敦賀まで乗っても全額払い戻しします。
秋田で降りてバスに乗ってもらって、車だけ航そうする
のも可能です。」
「敦賀まで車をとりに行く新幹線代も負担しろ」−ごく
数名が最後までほざく
秋田道、東北道の一部が通行止という情報を聞いたので、
このまま敦賀まで乗っていくことを決意。
15:30頃 秋田港を出航。
1/7 4:30頃 ついに敦賀港に到着。
7:00頃 家に到着。54時間の船旅でした。
たるみさんから送られたメールに手を加えて使わせてもらいました