はじめての まちぼうけ             byひめさん



私が初めてまちぼうけに行ったのは、2000年のG.W.。
ミレニアムだ、記念だ!ということで?初めて春に北海道に来たの
でした。
しかも・・・愛車で!
愛車といっても、2輪で、しかもエンジンがないやつ。
シルバーのぼでーがとってもチャーミングな私の銀ちゃん。
学生のころは、北海道にはなぜかチャリンコでは行きたくなかった
のですが・・・。
ひょんなことから、自転車旅行は初めて、という友達に誘われて?
(誘ったのかなあ?いや、でも、自転車はいいよ〜!と熱く語った
だけだったはずなんだけど)
社会人になって初めての長期休暇をすべて費やしたのでした。

初心者がいたので、なるべく荷物を少なく・・・と思い、キャンプ
はしないことに。
さて、どこに泊まるのか?
それは友達にまかせていたワタクシ。
それに実はとほ宿をあまりよく知らなかった私。
聞いてはいたけれども。そんな感じでした。

千歳から帯広までJRで。
そこから一泊目の北のコタンまで準備運動って感じで走る。
翌日、いきなり釧路までいくのはキツイだろう、ということで間の
まちぼうけを選ぶ。
この時の決断がなければ、きっと今の ひめ は誕生してないで
しょう!
今でも、よく思い出します。
海岸沿いの工事中のジャリ道。
さすがのマウンテンも歯が立たず、押して歩いて・・・。
海が見えた時の喜び!
3時くらいやったのに、夕方の日差しの中。
その年一番の(私には)つくしんぼうを見つけたのでした。
どちらかというと、まちぼうけよりもまちぼうけまでの道の方が印
象深いんですよねえ。
だから、今でもまちぼうけ=夕方・海・つくしんぼうの公式がピッ
と浮かんできちゃいます。

やっとこさ、宿に着いて。
看板を見落とすところでしたよ、ゲタサン。
チャリダーにもちょいと厳しいかも知れませんね、あの看板は。
当時のヘルパー:だいだいさんがにこやかにお迎え下さいました。
彼の、「おかえりなさーい」には、ほっとしたなあ・・・。
でも、「ご夫婦ですかあ?」と聞かれた時は、なんとも言えず・・
・悲しかったですう。
心の中で、「違うんです、すいません。」と謝っていた、当時、小
心者のひめでございました。

名物のファイヤー定食にビックリ!
燃費の悪いチャリダーにも多かったディナー。
夜のケーキに、自家製果実酒。
チャリンコ乗る時は、基本的には禁酒、なのについ飲んでしまっ
て。
そして、初対面で、たった1泊しかしなかった私でも、一年後まで
覚えてしまうほどのツワモノ?(失礼!)の常連さんたち。
まーさーか、彼らも翌年はジャージ女が「おかえりなさーい」と
言っているとは思ってもみなかったでしょう!

朝ごはんは当時、まだ苦手だった鮭。
晩からひたすら鮭づくしで、大変だった私は思わず、
「なんで、鮭尽くしなんですか?」と聞いたのでした。

答えはカンタン。
「たくさん獲れるから」
ありがとう、げたさん!
鮭パワー全開!でその日は厚岸まで走りましたよ。

そして、も一つ。
お客&ヘルパーの朝ご飯とは別に 宿主は幸せそうに冷やし中華を
食べていました。
とても、不思議な光景でした。なぜ?と思いつつ、なぜか普通に見
えていたわー。

告白すると。
それから、初まちぼうけでも女一人だったので、ここはそういう宿

なーんて、思ってもみたりしていました。
今は、思っていないので安心して下さいね。

まあ、そんなこんなの私にも印象が薄い待ちぼうけだったのに・・
(ん?こんなに覚えていたら上等ですって???)
げたさんも、一年後に再会する常連さんたちも私のことなんて、全
く、全然!覚えてなかったのに。
なぜか、ヘルパーとして行くことになり、すっかりはまってしまっ
ている私。

でも。
ヘルパーさせてもらうのに、待ちぼうけをえらんだのは。
印象薄かったのにもかかわらず、居心地が良かったから。
その、最初のインスピレーションは今も続いています。
とても、とても、私には居心地のいい宿です。
げたさんも、MOMOさんもお母様も、犬嫌いのひめやけど、こどもた
ち3匹も、ずっとあるストーブも、
あの二段ベッドも、たくさんの本も、みんなみんな大好きで、ピカ
ピカひかってる宿です。

はじめてのまちぼうけ。
それは、これからも まちぼうけ、ということでした。


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